八王子会場の入り口です

展示会場

三宅島火山灰は細かいパウダー状の灰で、粘土との密着性が良いことから優れた釉薬(うわぐすり)としての利用が期待されています。また、インターネットで各地の陶芸家に呼びかけたことが契機となり、三宅島火山灰を釉薬として用いる試みの輪が全国に広がっています。ここに展示させていただいた作品は、一日も早い三宅島への帰島と島の復興を願って東京都の産業技術研究所の施設公開にあわせ、全国の陶芸家の方々が提供して下さったものです。

陶器は、釉薬のかかり具合によって色や質感が変化するといわれています。仕上がりの色つやは粘土の種類や釉薬の配合、焼き方の違いなどの影響を受けます。

陶芸家は、それぞれ自分のノウハウを持っており、同じ火山灰を用いても、それぞれの作品の中に微妙な違いがあらわれます。三宅島の火山灰には、鉄分が11%程度含まれているため、火山灰だけを釉薬として用いると茶褐色に焼き上がります。そのほか、火山灰にいろいろなものを混ぜることによってさまざまな色をかもし出すことが出来ます。今回の作品には、火山灰に長石やマンガンを加え黒っぽい色を、コバルトを加え青い色を、ベンガラを加え赤褐色を出したものもあります。ワラ灰を用いて白色をだしたり、辰砂を用いて還元燃焼により美しい朱赤をだしているものもあります。

今回展示した作品は、試作品として陶芸家の皆さんのご厚意によりお寄せいただいたものですが、素晴らしい可能性を秘めた釉薬であることの裏付けが出来ました。

三宅島火山灰釉薬の窯変の世界をご鑑賞ください。

東京都産業技術研究所施設公開の三宅島特設コーナーに展示した作品です。

2001年4月17日〜18日八王子支所展示した作品です。20〜21日北区西ケ丘研究所展示作品の一部です

E-mail kaze@m-net.ne.jp
出品作家とその作品

森屋由美さん 二藤康子さん (工房土) 東京国立市
櫻井あゆみさん (陶房 回青) 埼玉県小川町
村上実さん (朔風窯) 東京瑞穂町
宮野大司さん 東京日野市
今井正行さん (双炎) 千葉県市原市
石川照さん (雲仙焼窯) 長崎県雲仙
竹の内博道さん (かもめ窯) 長野県阿南町
平野克美さん 三重県四日市市